私の好きな人

「まさか、慶都が
ここまでするなんて思わなかったよ〜

僕でも考えつかないよ?」


「俺、遥に前言ったよね…?

どんな手を使っても
遥の傍にいてみせるって…」


な、何を言ってるの、慶都…


私はリビングの外にいるのに、中の声が私の目の前で言われているかのように聞こえてくる


「慶都さん!うちの娘を利用するのはやめてください!

遥に近づくために
こんなやり方するなんて…」

「お前が悪いんだよ、司

俺が遥のこと好きなのを知っていたのに
遥と結婚するから…」


……えっ…?
あの女のことが好き…?


「俺が遥と先に出逢って…
遥だけを一途に想い続けていたのに…

まさか、あとからきたヤツに
遥を取られるなんてね…」

「違うよ、慶都〜

慶都と会うより先に
僕は司と出逢っていたから〜

あとからきたヤツは慶都だよ?」


慶都はさっきから何を言ってるの…?
慶都は、あの女のことが好きだったの…?

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