私の好きな人
たぶん…
いや、絶対に麻薬だ…
私が、それを黙って見つめているのに気づいた男たちはニヤリと笑い
『お姉さん、欲しいの?
お姉さんなら、タダであげるよ?
ただし、俺らと遊んでくれるならね。』
普段の私なら絶対に貰わないし
こんな奴ら相手にしない
だけど、今の状態の私は
「分かった。遊んであげるから、頂戴」
何もかも忘れられるというものが欲しくてならなかった
慶都や、あの女のことを忘れられる…
私はそう思い男たちからビニール袋のものを受け取ろうとしたとき…
『ぐっ…!!』
『いっ…!な、なんだてめぇら!』
私の目の前で、麻薬を渡そうとした男たちが、また違う男たちに殴られ捕まった
『夕也さんっ!捕まえました!』
捕まえた男たちが、私の後ろを見て言った
夕也…?
まさか…!
「うん、ありがと」
私の後ろからフードを被った男が現れ
捕まえられた男たちに近づいて行った