私の好きな人
「……雫ちゃんは
遥の娘で生まれてきてよかったと私は思うよ?」
「…どうしてですか…?」
あの女から生まれてきて
よかったことなんてない…!
あっ、違う…
一つだけある…
慶都に出逢えたことだ…
「…雫ちゃんは、気付いてないかもしれないけど…
遥と同じ…
女の色気がすごくあるんだよ?
普通の人じゃ、なかなか
そんな色気は出せないよ?」
「女の色気…?」
私に…?
「遥の娘だから出せることだよ?
私では、絶対に無理だから
遥の娘でよかったと思うよ」
「……色気なんて…」
色気なんて…
出せても意味がない…
慶都に好かれないんじゃ…