私の好きな人
「僕は雫に幼い頃から愛情を与えてこなかった
司は仕事とかで忙しくて雫を構ってあげられなかったでしょう?
昴だって、雫と遊んだりしてない
だから、雫は
愛に飢えていた
そんなとき
自分のことを好きだって言ってくれる相手がいた
どんなときでも
自分を愛して守ってくれる人…
自分には、この人しかいないと思ってしまう
だから、慶都がやったことは
一種の洗脳なんだよ」
俺が雫を洗脳していた…?
まさか、それだけで…
「雫は親から愛情をもらわなかった
だから、愛情をくれる人のとこにいった
どんなに裏切られても
自分には、その人しかいないと思ってしまうから…
慶都は気づかぬうちに
雫を洗脳していたんだよ
もう、雫は慶都から離れないよ
どんなに裏切られても
慶都からの愛を欲しているからね…」
俺の考えが分かったのか
遥は、自分のことを語るようにすらすらと言葉を言った