桜の舞った夜ー運命<サダメ>ー Ⅰ(番外リク受付中)
第1章
第1節
___ザワザワ……
「昨日、繁華街に“桜舞”がまた現れたらしいぜ!」
「まじ!?あー、1回だけでも見てみたいよなー」
あさ、このがっこうは“桜舞が現れた”という噂で持ちきりだ。
低血圧な私は、その騒がしさに眉を寄せた。
騒がしい音を遮断するようにiPodで音楽を流し、教室のドアを開けた。
ガラッ
__シーン……
………ヒソヒソ
………また始まった。いい加減うざったいんだよね、飽きないのかな。
「うわ……アイツまた来たよ。アイツと同じ空気吸いたくないんだよね」
「由莉<ユリ>さんいじめて、雪火<セッカ>の皆さん裏切ったくせに」
「早く学校辞めて欲しいよね」
クラス・学校中が私の姿を見た瞬間、みんな一斉に目の色を変える。
今の会話でわかると思うけど、私は雪火の元姫だ。