ハッピーアワーは恋する時間
「ダメだ未散。俺から離れるな」
「いや!別に離れようとかそんな・・・」
「じゃあ大人しくしてろ」
「・・・はぃ」
「とにかく。おまえはもう、俺のこと好きになってるんだから、後はもっと好きになればいいだけの話だ。難しく考え過ぎるな。貪欲に俺を求めろ。おまえの“もっと”は大歓迎だ」
「う・・・・・ん」

・・・亜幸さんに優しくされて、そして、そんなセリフを言われて、また私の目に涙がじわっと浮かんでしまった・・・。

「そうカタくなるな。もっと力抜いて、俺に寄りかかって・・・そうだ。それでいい」
「あ、あこうさ、ん・・・ううぅっ」
「俺だって、おまえとこれで終わる気はもちろんないし、セフレになる気も全然ない」
「うっ、うぅ・・・」

・・・亜幸さんの体は、硬く引き締まっていて、あたたかくて・・・。
ここはとても・・・居心地がいい。離れたくない。
そう思うくらい、私は亜幸さんのことが好きになっていたんだ。

亜幸さんの逞しい体の温もりを感じながら、私はまた盛大に泣いてしまった。

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