ハッピーアワーは恋する時間

「さわだみちるー」
「亜幸さん。その言い方ってなんか、逮捕されそうに聞こえる」と私が言うと、亜幸さんはブッとふき出した。

「一応抑えたつもりだ」という亜幸さんのセリフに、今度は私が笑ってしまった。

「ここ、座っていいか」
「もちろんです！どうぞ！」と私が勧めると、亜幸さんは私の向かいに座った。

「久しぶり・・・８年ぶりか」
「そうですね、はい。ホント、お久しぶりです」
「だなぁ。おふくろさんには何度か会ったし、親父さんの墓参りにはちょくちょく行ってるんだが」と亜幸さんは言うと、左手で前髪をサラッとかき上げた。

真っ黒な前髪を目にかかりそうな長さまでジグザグに垂らしてる亜幸さんのヘアスタイルは、８年前と全然変わってない。
前髪をかき上げるその仕草も、かき上げられた前髪が、またすぐ目元に戻ることも変わってなくて・・・あぁ懐かしい。

でも・・・。