ハッピーアワーは恋する時間
「ああ。去年からこの区の管轄になって、半年前にここの近所に越してきた。この店には仕事帰りによく寄ってるんだ。一杯飲んだり、晩メシ食ったり。ハッピーアワーがあるからな、ここ。時間帯によっては安く飲めるし。こういう時は、不規則シフトな仕事しててよかったと思う」
「なるほどー」
「それに俺、ひとりだしな。どこでいつ何食うか、気楽に決めれる」
「あぁそうだねー」と私は言いながら、よく分かるといった感じでウンウンと頷いた。

「てことは、おまえも独身か」
「はい?そうですけど?」
「ふーん」
「な、なにか・・・」
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