ハッピーアワーは恋する時間
今の私が在るのは、あの出来事があったから。
あの出来事に押しつぶされたくない。負けたくない。
あんなことくらいで、自分の人生を台無しにしたくない。
その一心で、私はひたすらがんばってきた。

「・・・そうよね。あの女には、感謝しなきゃ。そして、博文さんにも・・・フフッ。アハハハハッ!!!」

あぁ、なんでだろう。今更のようにおなかの底から笑いがこみあげてくる。
亜幸さんには「笑うな」と言ったのに・・・。

笑いが止まらない!

「ごめ・・・」
「いいよ。誰かに話せるようになっただけでも、それはもう“悪夢”じゃない。それに、今じゃあこうやって、笑い飛ばせる喜劇に仕立てることもできるようになったんだ」と亜幸さんに言われた私は、笑うのを止めた。

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