ハッピーアワーは恋する時間
揺れ始めた誓い
「私、そろそろ帰らないと」

本当は帰らなきゃいけない、ってことはないんだけど・・・でも今は帰った方がいいかもしれないと、強く思った。

「ジュース、ごちそうさまでした」
「今度はちゃんと飲もうぜ」
「う・・ん・・・」
「何」
「あ。いや、べつに。じゃ・・・」
「未散」

亜幸さんもすでに立ち上がっていたおかげで、私は亜幸さんを少し見上げる形になった。

「な・・なん、でしょう」
「本当は、綺麗になったって言いたかったんだ」
「え?」

私は、目をぱちくりさせながら、黒い切れ長の亜幸さんの瞳をじっと見た。

「8年前の未散はすげー可愛かったが、今は・・綺麗になった」
「そ、そう、かな・・・」
「ああ。見違えるほどに」

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