ハッピーアワーは恋する時間
「あのっ。亜幸さん」
「ん?」
「そういえば・・・どこに食べに行くの?」

「俺のおススメ」的なことは、亜幸さん言ってたけど、お店の名前は聞いてなかったことに、今頃気がついた。
この話題なら、亜幸さんに胸ドキドキさせられることもないはず・・・。

「よねざわ公園」
「え?あそこって、レストランとかカフェ、あったっけ」
「いや。だがそこに署の連中が集まってんだ」
「え」

私は思わず亜幸さんの横顔を見た。

「この時間なら、もうバーベキューやってるはずだ」
「あ・・・・」

どうしよう。私・・・・・・!

「嫌か?みんな友人や恋人や家族連れて来てると思うから、おまえひとり浮くことはないよ」
「いやいや!そういうことじゃなくて・・・」
「じゃあ何だよ」
「・・・大丈夫」と呟いた私を、運転中の亜幸さんはチラッと見ると、「ホントか?」と聞いてきた。

「行きたくないなら行かなくてもいい・・」
「ホントに大丈夫!だから・・・行こ」
「・・・よし。じゃ、行くか」

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