【短編】愛トキドキ憎しみ
――――――
――――
携帯から私のお気に入りの曲が流れて、うっすらと目を開けた。
窓から差し込む朝日が少し眩しくて、目を細めたまま部屋を見渡す。
「ん〜っ……朝かぁ」
携帯を片手に握り締めたままいつの間にか寝ていたらしい。
寝不足の眠い目をこすりながら、携帯を開いて着信のチェックをした。
……やっぱり連絡きてない。
最高に目覚めの悪い朝。
重い足取りで洗面所へ向かう。
パシャパシャッ。
「……よっし!!」
冷たい水で顔を洗い、タオルで拭く。
……気持ちいれかえていこう。
今日学校に行けば、慎司は普通に「おはよう」って笑いかけてくれて、「昨日は連絡できなくてごめんね」って言ってくれるに違いない。
この不安は私が勝手に抱いているだけ。
きっと慎司が連絡できなかったことに深い理由なんてあるわけないよね?
……だけど。
やっぱり不安は拭いきれなくて、早く慎司と会って話がしたくて、いつも遅刻ギリギリにしか行かない私が、今日は30分も前に家を出た。
「いってきまーす!」
「えっ? れ……玲花どうしたの? 熱でもあるんじゃない?」
母の驚いた声が家の外まで聞こえる。
「ないってば……」
恋の力は偉大なんだよ、お母さん。
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携帯から私のお気に入りの曲が流れて、うっすらと目を開けた。
窓から差し込む朝日が少し眩しくて、目を細めたまま部屋を見渡す。
「ん〜っ……朝かぁ」
携帯を片手に握り締めたままいつの間にか寝ていたらしい。
寝不足の眠い目をこすりながら、携帯を開いて着信のチェックをした。
……やっぱり連絡きてない。
最高に目覚めの悪い朝。
重い足取りで洗面所へ向かう。
パシャパシャッ。
「……よっし!!」
冷たい水で顔を洗い、タオルで拭く。
……気持ちいれかえていこう。
今日学校に行けば、慎司は普通に「おはよう」って笑いかけてくれて、「昨日は連絡できなくてごめんね」って言ってくれるに違いない。
この不安は私が勝手に抱いているだけ。
きっと慎司が連絡できなかったことに深い理由なんてあるわけないよね?
……だけど。
やっぱり不安は拭いきれなくて、早く慎司と会って話がしたくて、いつも遅刻ギリギリにしか行かない私が、今日は30分も前に家を出た。
「いってきまーす!」
「えっ? れ……玲花どうしたの? 熱でもあるんじゃない?」
母の驚いた声が家の外まで聞こえる。
「ないってば……」
恋の力は偉大なんだよ、お母さん。