【短編】愛トキドキ憎しみ
ムカつくムカつくムカつくー!!


悲しいという感情より先に、裏切られたという怒りが体を支配する。


教室にも戻る気になれず、校門へと全力疾走する。


そんな私を不思議そうに見る周りの目さえ気にならないぐらい、無我夢中だった。



「あれっ、玲花どうしたのー?」


「……千理」



できれば今……


会いたくなかった。



「授業もう始まるよ〜?」



……どの面下げてそんな普通に話しかけられるのよ?


あんたが信じられない。


目を合わすどころか、顔さえまともに見れない。



「……悪いけど、話しかけないでくれる?」



両手をギュッと握り締め、今にも手を出しそうになるのを必死で耐える。





「あっ、もしかしてバレタ?」



バンッ!!



私は持っていた自分のバックを思いっきり地面に叩きつけた。


辺りは一瞬で静まり返り、誰一人として口を開こうとしない。




「どうしたんだよ……玲花、大丈夫?」



そんな沈黙を破った声にハッと顔を上げると……


千理の隣には心配そうに見つめる智輝の姿。



「……何でもない。ごめん」



それだけ言ってバックを拾い上げ、私はそのままその場を走り去った。



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