【短編】愛トキドキ憎しみ
クーラーの効いた部屋で、私たちの周りだけ熱気がこもる。


涼しい風が、少しずつ二人の体の火照りを冷ましていく。


ベッドの中――。


薄い掛け布団をかけて、私は慎司に腕枕をしてもらい、寄り添って横になっていた。



二人で果てた後の穏やかな時間。



体は今だに快感の余韻に浸っていて、頭がボーッとしている。


慎司は隣で寝ている。


こんな時間が好き……。


触れ合う肌の温もりも、無防備な寝顔も。


私だけにしか見せない姿。


そう思うと何だか嬉しくなってくる。


さっきまでとは別人のように可愛らしい彼。


すやすやと寝息なんかたてちゃって……。


私は慎司の体に片手を回して、ギュッと抱き締めた。


この腕に……、この体に……私は抱かれていたんだよね。


私の心と体を熱くさせる行為。


好きって気持ちがヒシヒシと伝わってくる。



好きだよ……慎司……。




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