この恋心に嘘をつく
「改めて、宮ヶ瀬 環だ。よろしく」
「安生 凛子、です」
今更のようにも感じる自己紹介を済ませると、環はいそいそとメニューに手を伸ばした。
時刻は23時過ぎ。
こんな時間にレストランには行けないから、と環に連れてこられたのは、凛子のバイト先近くのファミレス。
平日の深夜近くということもあってか、あまりお客さんはいない。
「好きなものを頼んでくれていい」
「はぁ…」
凛子もメニューを手に取り、開いてみる。
ファミレスなんて久しぶりだ。
メニューも結構変わっていて、季節限定のものもある。
(時間も時間だし、ガッツリ系は避けとかないと)
とりあえず、メニューに一通り目を通す。
パスタとかよりも、ご飯が食べたい。
(う~ん…和風ハンバーグかなぁ。いや、重すぎるかな? でも…)