この恋心に嘘をつく

「最近は来てなかったけど、学生の頃はよく来てた。好きなんだよ、ファミレス」

「へぇ…」


いそいそと立ち上がり、環はドリンクバーへと向かう。


「ドリンクバー、似合わないなぁ…」


遠目から見てもわかるくらいに、スタイルが良い。

そして、期待を裏切らない顔立ち。

ファミレスのドリンクバーが、アンバランスすぎる。


「飲まないの?」

「え? あ、行きます」


環と入れ替わる形で、次は凛子がドリンクバーへと向かう。


(…秘書…。就職できる、ってことなのかな?)


氷をグラスに入れて、水を注ぐ。

それとは別に、もうひとつのグラスにはお茶を注いでおく。


(なんかもぅ、いろいろ予想外過ぎて、頭がついてかない)


< 38 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop