この恋心に嘘をつく
もしかしたら、新手の詐欺かもしれない。
だって、こんな話、普通はあり得ないし、信じられない。
何度も考えてみたが、結局のところ、答えなんか出なかった。
「……はぁ」
ため息をつきながら、凛子は席へと戻る。
環を見れば、相変わらず真意の読み取りにくい笑顔を浮かべていた。
「さて、料理が来る前に、少しだけ質問しても?」
「…面接、ですか?」
ファミレスで?
履歴書もなく?
いろいろと突っ込みどころはあるが、そんなこと今更か。
「君を知りたいだけだ。名前は知ってるから――年齢を聞いても?」
「23です。大学は文学部を出ました」
「そうか。今は、コンビニのアルバイトだけ?」
「はい」