この恋心に嘘をつく
夕食は、凛子の希望通りイタリアンのレストラン。
案内された席に着き、歩き疲れた足をいたわる。
「アルコールは?」
「やめとく」
メニューを手に、何を食べようか悩む。
やはりイタリアンならばパスタだろうか?
「私は飲もうかなぁ…」
「明日も仕事でしょ? 飲みすぎて、二日酔いになってもしらないわよ」
メニューのページをめくり、チラッと美晴を見る。
美晴は絶対に、次の日二日酔いになるまで飲む。
大学時代、二日酔いが原因で何度も大学を休んでいた。
「う~ん…やめとく。その分、食べるわよ! まずは――」
テーブルに料理が運ばれてくるのを合図に、美晴が口を開いた。
「それで、その専務さんはどんな人?」