この恋心に嘘をつく
これもこれで、重い。
どんなに些細な贈り物でも、調べてみれば深い意味があったりする。
そういうのを知っていくのは、とても楽しい。
「それを聞いたら、時計を受け取れなくなるな」
「束縛されたくない、ってことですね」
環を知るチャンス!
とばかりに、話を続ける。
「と言うより、恋愛にあまり重点を置いてない」
「シングルですか?」
環が頷くと、凛子は本気で驚いた。
まさか、フリーだとは。
(いや、選り取り見取りだから、相手がいないのかも)
その気になれば、すぐに恋人は見つかるだろう。
むしろ、女性の方から近寄ってきそうだ。
「お待たせいたしました」
店員がカードを返し、深々とお辞儀をする。