今日こそ絶対に自殺します。






「―――むむ、いないな…?」



私は部屋の外の廊下をキョロキョロと見渡すと、豆腐ちゃんがいないことを確認した。



「―――よし!今日こそ…」



急いで部屋を出ると、私は一本の縄を抱えて足早に廊下を駆けていった。



豆腐ちゃんがいない今のうちに……


なんとか自殺しなければ!!!








―――いくらここが「メガ症」だからと言って、周囲の存在を完全に断ち切ることはできない。


故に私も思い通りに自殺を実行することができない。



その上豆腐ちゃんとあんなに仲良くなってしまった今、私の活動時間は限りなく制限されている。





……手強いな、この家!!!


なにが『自由すぎる女神症候群ハウス』だ!!


自由どころか束縛の世界だよここは!!!


もはや『束縛しすぎる彼氏ハウス』だろ!!


束縛のし過ぎはよくないんだからなぁ全国のちんちくりん坊主!!!








まあとにかく。



私は無事部屋から抜けだし、アパートからも抜け出すことができた。



背中に佇むどでかいアパートを、私は見つめた。




「さよなら」




今日こそ私はこの世界からおさらばする。



私はアパートから猛スピードで離れていった。





今日こそ、



絶対に、



自殺しまぁぁぁぁす!!(4度目)






< 101 / 326 >

この作品をシェア

pagetop