今日こそ絶対に自殺します。





「おーうチャンぴか!
おっかえりんごー!!」



なにがおっかえりんごだぁ!!

むかつくその言葉!!



子どもたちにつれられて、私は荒れ地から出てきた。



片方の腕につき2人の子ども。

背中にしがみついている1人の子ども。


計5人の子どもが私にしがみついている。



一体全体、どうなってるんだよもう……



「ほんといいとこにいたなチャンぴか!」


なにがいいとこだよ。


どこもよくないだろ!



「ちょっと手伝ってほしいことがあるんだ!」

「……えっ?」

「まあ死んだらなんもなくなっちまうんだからさ、これくらいは頼むよー」



パピヨンはそう言うと、近くに置いてあるビニール袋の中をガサガサッと探った。


そして取り出したのが―――一つのリンゴ。




「アップルパイ作り、手伝ってくれない?」


「え……」



―――アップルパイ作り。




「この子どもたちとさっき材料買ってきたんだ!メガ症ハウスで作ろう!」




―――あのなぁ、



おっかえりんごとかアップルパイとか………



嫌がらせか?




「―――無理です」


「えーなんでっ!めっちゃ楽しいのにー!」


「それは……」








私リンゴが、




食べれないんです。






< 107 / 326 >

この作品をシェア

pagetop