今日こそ絶対に自殺します。





「私、リンゴ食べれないんです」



別に味とか食感が苦手なわけじゃない。

だけどこれは、ある意味幼い頃のトラウマみたいなものが原因なのかもしれない。



私が幼稚園生の頃ーーー


「リンゴ!リンゴ!!」


リンゴ畑に遊びに行った私は、はしゃぎながらリンゴの収穫をした。


そしてその中でも大きくて真っ赤なリンゴを自分のものとして持ち帰ったのだ。



家に帰ったら食べるんだーい!


もうルンルン気分。


家に帰って私は自分で包丁を持ち出し、そしてそのリンゴを半分に切った。


ーーーすると、


ビローンッ!


「え?」


中から出てきたのは特大サイズの芋虫。


「……ぎゃあああああああ!!!」


それ以来私はリンゴを食べることも触れることもできなくなってしまったのだ。





「チャンぴかは食べなくていいよ!
ただ作るだけ!」


「触るのもダメなんです、私」


「え、触るのも…!?
じゃ、じゃあさ生地作りしてよ!」


「いやです。
もう(自殺場所に)戻らせてください」


「だめぇ!」



どんなに断っても、パピヨンは粘り強く私を捕まえてくる。


「お願い!自殺させてあげたいのは山々なんだけどさ、今回ばかりはチャンぴかが必要なんだぁぁ!!」


「はぁ…?」


「頼む!チャンぴかがいないと作れないんだ!
ーーー俺、小麦粉アレルギーなの!」




小麦粉…アレルギー…



「俺小麦粉触れないからさー、チャンぴかに生地作りお願いしたいんだぁー!!」





ーーーなら…





作るなよ!!!





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