今日こそ絶対に自殺します。






あーあーあーあー


やめてよもーこういうの…!




ーーーどうにかしてあげたくなるじゃん…




「チャンぴか」


ふとパピヨンが口を開いた。


「今日だけでいいんだ。
今日だけでいいからこの子たちのために一緒に手伝ってくれないか?
ーーー損することなんて一つもないよ」



パピヨンの顔はどことなく真剣だった。





そんなに作ってあげたいのかよ…


アップルパイ……





まっすぐに私を見つめてくる子供たち。


真剣な表情のパピヨン。





あーもー…




私はポケットからハンカチを出して、それをパピヨンが持つリンゴに被せた。


そしてーーー



「…っ」


ハンカチの上からリンゴを手に持つーーー





「チャンぴか…」


「今日だけですからね…!」




今日だけ、


ほんとに今日だけだから!!




「早く作ってプレゼントしちゃいましょうよ!
……アップルパイ」








本当に私はバカだ。


こうしてまた後悔が金魚のフンみたいについてくるんだ。


分かってる。

本当に分かってる。




ーーーでも、

後悔してもいいから手伝ってあげたい。



そう思ってしまった私が、心の中にいたんだものしょうがない。








そのあと私はメガ症ハウスに帰ると、すぐにアップルパイを作り始めた。



リンゴはやっぱり苦手だけど、子供たちのためならって考えると触ることならできた。




「「「かんせーい!」」」



こうしてできたアップルパイ。


お兄ちゃん、喜んでくれるといいねーーー







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