今日こそ絶対に自殺します。





ーーートントン。



306と彫られた扉をパピヨンはノックする。




『ーーー知ってる人?』


『うん!ーーーウツボだよ!』




正直びっくりしすぎて腰が抜けそうだった。



まさかあのウツボがーーー


大家族のお兄ちゃんだったなんてーーー




「おーいウツボー!起きてくれー!」


何回も何回もパピヨンがノックを繰り返すと、


「カチャッ」


中から鍵を開ける音が聞こえてきた。



それと同時にドアが開き、青白い顔をしたウツボが顔を覗かせる。




「………どうしたんですか…
……パピヨンさん……
それに……チャンぴかさん…も……」



力ない声に、(多少イラつくほど)とてつもなくゆったりとした口調。




ーーー本当に、ウツボがお兄ちゃん?



悪いけどーーーぜんっぜん見えません。





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