今日こそ絶対に自殺します。
「……僕」
ふと、ウツボが口を開いた。
「ずっと後悔してたんです……」
えっ?
思わず私はウツボの方を向いた。
『後悔』という2文字に馴染みがありすぎる私は、反応せずにはいられなかった。
「……パピヨンさんに助けられた時、僕は嬉しい気持ちがこみ上げる反面……後悔の気持ちも溢れるばかりにあったんです……。
……どうして僕はこうやって、すぐに助けを求められなかったんだろう……
……どうして僕は自分の体が限界だってことを知っていたのに無理をしたんだろう……
もっと早く誰かに助けを求めていれば……
弟や妹たちはあんなに泣かずに済んだのにって………」
ウツボはただ下を向いている。
白くて弱々しい拳をぎゅっと握りしめている。
「……僕、パピヨンさんに出会えて…本当によかったって思ってます……
今、彼らの笑顔をこうして見られるのは……紛れもなくパピヨンさんのおかげです……
でも……ずるい発言になってしまいますが……もっと早く出会いたかったです……」
前をまっすぐに見つめたまま、パピヨンはウツボの話を黙って聞いていた。
その口元はどこか笑みを浮かべている。
「……後悔って、どうやったらしなくて済むんですかね……。やっぱり、難しいです……」