今日こそ絶対に自殺します。
ーーーポン。
突然、パピヨンがウツボの背中を軽く叩いた。
下を向いていたウツボは思わずパピヨンに顔を向ける。
「いいか、ウツボ。
後悔をしないで済む人生なんてーーー
どこにもないんだぞ」
「っ!」
ウツボは目を見開いた。
パピヨンは前を向いたまま話し続けている。
「まあ、場合によっちゃ後悔をしない人生を歩む人だっているかもしれない。
……だけどそれは、その人自身が『後悔』を『後悔』だと認識していないからに過ぎないことだ。これができれば世界中の誰だって後悔のない人生を歩めるさーーー
ーーーだけどなウツボ。
これだけは覚えといてくれ」
パピヨンはウツボを見つめた。
「『後悔』がなくちゃ、人は前へ進めない」