今日こそ絶対に自殺します。
「……チャンぴかさん…!」
ふと、背後からウツボの声が聞こえてきた。
「っ!」
振り向くと、体をふらつかせながらもウツボがベンチから立ち上がっていた。
「……チャンぴかさん。
……チャンぴかさんが自殺してしまう前に、言いたいことがあります…!」
ーーー言いたい…こと?
ウツボは息を切らせながらも、私をまっすぐに見つめてきた。
「……チャンぴかさんは、
本当にいい人です……!
……僕は、チャンぴかさんの自殺したいという気持ちを否定することはできませんが………
せめてこれだけは…言わせて下さい…
ーーー自分に絶望しながら自殺するのは……やめてください……
自信を持って……自殺して下さい!」
ハァ、ハァーーー
今まで見たことがないくらい、必死な顔をしたウツボがそこにはいた。
「……ウツボ」
こんな顔も、するんだね…
めったに見せないような顔を向けてくれて、私はなんだか心があったかくなった。
まるでーーー
ウツボの思いが伝わってくるみたいで。
ーーーありがとう、ウツボ。
その思い、ちゃんと心に受け止めて自殺するね。
自分に自信を持って、私は自殺するねーーー
「あ……」
ふと、ウツボの表情が変わった。
「ーーーチャンぴかさん……
僕、分かりました……」
「え?」
分かった?……何が?
ウツボはニッコリと笑った。
「ーーーチャンぴかさんの……
名前の由来です……」