今日こそ絶対に自殺します。





「そうですよね、パピヨンさん」


「まあねぇ!できれば見つけて欲しいっ!!」



パピヨンは頭の後ろに手を回すと、気持ちよさそうに足を伸ばした。



「今日は本当にーーー暑いねぇ…」








ーーー私の名前の由来が分かった人はみんな言った。


自分で見つけろって。



そんな無謀なこと言わないでほしい。


なにせ、私は毎日のように自殺を試みてるんだから。





「ハァ…」


私はため息をついた。



教えてもらえないんなら、もう自分で見つけるしかないじゃん…


そのためには、生きるしかないじゃん……







あーあーあーもーーーう!!!!


なんで私はいつもこうなるの?


ふざけんなよ!


もーさっさと自殺させてくれよぉ!!







「あ、そういえばウツボっ!」


ふと、パピヨンがポケットから何かを出した。


「…なんですか、それ…」


「これ、ウツボの大事な家族からの手紙!!
一つ一つ大事に読むんだよ〜!!」



途端に瞳がキラキラと輝くウツボ。


「ありがとうございます……!」


ーーーウツボは手紙を受け取ると、ベンチに座って一つずつじっくり読み進めていった。



泣いて、笑って、驚いてーーー



手紙を読むウツボの表情は、まるで鬱病患者とは思えないほど鮮やかだった。






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