今日こそ絶対に自殺します。
「ーーーふふ」
色鮮やかな表情のウツボを見て、パピヨンは嬉しそうに笑った。
そして、
「じゃあ俺はこの後用があるからっ!
まったねーんっ!!」
そう言ってベンチから立ち上がると、ポケットに手を突っ込みながらその場を後にしたのだった。
「………」
私の瞳に映るパピヨンの後ろ姿。
黄ばんだ白いスーツに、薔薇のように真っ赤なシャツに、お祭り騒ぎの金髪頭。
最初は何も考えていない馬鹿だと思っていたけどーーー
どうやら彼はただの馬鹿じゃないらしい。
「……変な人」
本当にーーー変な人。
だけど、
「ーーー憎めない」
少し猫背になりがちな後ろ姿。
そんな彼の背中からはどこか寂しげな雰囲気が漂っていたーーー