今日こそ絶対に自殺します。
ーーーバシッ、バシッバシッ
狭い練習場に、ボクサーステップと拳を打ち込む音が響き渡る。
「兄貴、もうそろそろ昼飯食いに行きませんかー??」
リングの上で打ち込む俺に、1人の後輩が話しかけてきた。
「すまん、あともう100発」
俺がそう言って断ると、後輩は呆れ顔をした。
「まったくー、やっぱり兄貴は努力家っすね。まじ尊敬っす」
着替えて待ってますからねー、そう言って後輩は行ってしまった。
「おう、待っとけーーー」
ーーーバシッ、バシバシッ
「シュッシュッ」
豪来星二(ごうらい せいじ)、28歳。
俺はプロボクサー………の卵だ。