今日こそ絶対に自殺します。
しかし、いくら頑張ったって俺の努力が実ったことは一度もなかった。
「お前の息子は図体がでかいだけだ」
「才能ねーよ、あいつは」
大会が終わるたびに、親父は友人から俺に対する悪口を言われた。
だけどーーー
「あいつはやれるやつだ」
どんなに悪口を言われても、親父は俺に対する希望を捨てなかった。
ーーー俺が親父にしてやれること…
それは、チャンピオンの座につくことだ。
絶対に強くなってやる…!
才能がないのなら、俺は世界一の努力をしてチャンピオンになってやる…!
俺はがむしゃらに頑張った。
学生を終え、練習場の後輩がどんなに増え続けても、俺はチャンピオンという夢を諦めなかった。
ーーー諦めれば、
そこで試合終了。
28歳となった今、未だにプロボクサーにはなれていないがーーー
俺の試合はまだまだ終わってない。
むしろーーーこれからだ。
ーーーバシッ!
最後の100発目を打ち込んだ。
「ハァ、ハァ…」
ボロボロになったサンドバッグが目の前でユラユラと揺れている。
ーーーよし。
明日こそは、絶対に勝つ。
俺はグローブを外すとタオルを肩にかけ、練習場を後にしたーーー