今日こそ絶対に自殺します。






「ーーー星二」



リングの片隅で親父は俺の目をまじまじと見つめながら言った。


「お前はーーーやれるやつだ」




ーーー全力でぶち込んでこい!








親父の言葉が俺の心にすっと入ってくる。



それと同時にその言葉が俺のエネルギーに変わってゆく。





「おう!!!」




俺は立ち上がった。


チャンピオンになる、そう心に誓ってーーー







ーーードクン、ドクン


今までにないほどの緊張感が溢れてきた。



ーーー落ち着け、大丈夫だ。



自分自身に言い聞かせるものの、やっぱり鼓動はどんどんはやまっていくばかり。




今回の相手は高校生。


話によると1年前にボクシングを始めたばかりの初心者だとか。




ーーーでも、


ここで俺が全力を出さない理由なんてどこにもない。



今までの成果を、今までの努力を、この熱い拳に込めてぶち込むんだ。



やるぞ……!


絶対にやるぞ……!!



俺はチャンピオンになる男だ!!!









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