今日こそ絶対に自殺します。
「帰るぞパピヨン」
「そうですね、兄貴!」
2人はさっと立ち上がるとレジへと向かった。
「あ……」
私は思わず口を開けたまま、2人の後ろ姿を見つめていた。
「あっ!」
そして我に帰るとすぐに立ち上がり、2人についていった。
ーーーレジの店員に伝票を渡すと、海パン男は海パンの中から財布を取り出した。(おお?)
それと同時に飴玉も取り出し、パピヨンの口の中へ黙ってろとばかりにつっこんだ。(おおお?)
「ーーーお会計804円になります」
海パン男は1000円札を取り出して、ポンと置いた。
「あ、釣りはいらん」
「えっ?あ、しかしお客様…」
「君とあっちの店員で帰りに90円アイスでも買って食べなさい」
「え、でも…」
「店長にはないしょで」
ーーーオジ様かよ!
「あ、では…ありがとうございます!」
「いえいえーこちらこそご馳走様」
海パン男は財布を海パンの中にしまうと、パピヨンを肩にかついでカフェの扉を勢いよく開けた。
「ミルクティーうまかったよねぇちゃん!
また来るからな!アイラーブユー!」
肩にかつがれながらも投げキッスをするパピヨン。
「あ、ありがとうございました……」
「ーーーカラン、カラン」
こうしてカフェを出たのはいいものの、後ろから感じる客や店員の痛い目に、私はただただ冷や汗をかいていた。
そもそもなんでこんなことになってるんだ?
本当だったらもう自殺してこの世から消え去っているはずなのにーーー