今日こそ絶対に自殺します。





ーーーそうして着いたのが、とある一軒の店。



木製の扉には『準備CHUっ』と書かれた看板がかけられている。





「さー中に入ってぇ!」


「うわぁっ」



ニオさんは扉を開けると、私を無理やり中に押し込んだ。





ーーーあーあ、


自殺を妨げられたわけではないけど、またもや変なことに巻き込まれてしまった…




「ーーーバタン!」


扉を閉めると、ニオさんはすぐさま店の電気を点けた。


たちまち店の中が明るくなるーーー








「………え?」



私は店内を見て目を丸くした。



「どう?中々素敵なバーじゃない?」



それはーーー


数え切れないほどの写真が、壁一面に散りばめられていたからーーー







「ーーーパシャ!」


「っ!!」



ふとすぐ横からシャッター音が聞こえてきた。



「いいの撮れちゃったっ」


立派なカメラを両手に持って、ニオさんはにっこり笑っている。



「あとでこの写真も飾っとくわ」



カメラをカウンターの上に置くと、ニオさんは椅子を引いて私に手招きをしてきた。



「ほら、座って?」





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