今日こそ絶対に自殺します。
「あ…はい…」
私は恐る恐る椅子に座った。
「コーヒー飲める?」
「あ、飲めます…」
「ミルクとお砂糖は?」
「じゃあミルクを」
「はーい」
ニオさんはテキパキとコーヒーを淹れる準備をし始めた。
私はもう一度辺りを見回した。
四方全ての壁が写真で覆われているーーー
ーーーすごい、数。
きっと千枚は軽く越えるはず。
「よかったら、もっと近くで見ていいわよ?」
手を動かしながら、ニオさんは私に向かってそう言った。
「あ、じゃあ…」
私は席から立ち上がって、一つ一つの壁をじっくりと見て回った。
ーーーうわー…
写真のほとんどはメガ症ハウスの住民。
あ、これ、豆腐ちゃんの歓迎会?
少し怯えている表情の豆腐ちゃんを満面の笑みで囲むパピヨンとウツボと兄貴さん。
これは…バーベキュー?
豆腐ちゃんがよく行くという河原で、全員揃って楽しそうにバーベキューをしている写真。
他にもパピヨンの変顔やウツボの寝顔、そして豆腐ちゃんのBL漫画や兄貴さんの海パンの写真までも撮られていた。
ーーーなんか…
見てて幸せになってくるかも…
こんな風に一時一時を写真に残して後から眺めるのって、つらい時の励みになるというか、自分が幸せであることを確かめられるっていうか……