今日こそ絶対に自殺します。
「私が悲しんでると思ってるでしょ」
「っ!」
あはは!と笑うと、ニオさんは私の肩に腕を回してきた。
「もーやめて子ねずみちゃん!
なんたって高校時代の話よ!?
何年前だって話じゃなーい!」
もー笑っちゃーう!!
ニオさんは笑い続けている。
ニオさんの笑顔は本物なのかもしれない…
ーーーでも、一つ気がかりなことがある。
「ーーーじゃあ…なんでこんな大事に飾ってるんですか…?」
私の言葉で、ニオさんは急に笑うのをやめた。
「別に、まだ好きだからとかじゃないのよ?」
ニオさんは私から写真を取ると、じっくりと眺めた。
「私はねーーー
ーーー彼を救ってあげたいの」
「……っ」
救って…あげたい…
「なーんてねっ」
ニオさんは立ち上がると、写真たてを元の位置に戻した。
「救ってあげたいっていうのは確かに本当の気持ちだけど、そこまで深刻なことじゃないの。
ーーー子ねずみちゃんも恋をすれば分かるわ」
ーーー恋、ね…
だったら私は一生ニオさんみたいな気持ちを味わわずに死んでくってわけだ。
ちょっと惜しい感じもするけど…
今更恋なんてしたって、無駄だもん。