今日こそ絶対に自殺します。





私はパピヨンの右手にある海パンをじーっと見つめた。





ーーーどーなってんだこの海パン…



どうしてこの海パンを脱いだら兄貴さんはおとなしくなったんだ?


スーパースーツみたいなものなのか?


身につけると特殊な力が宿る的な…





「なんか海パンに興味津々だね!チャンぴか」



ギクッ



パピヨンはにっこり笑うと、手に持っている海パンを掲げた。



「どうして海パンを脱いだら兄貴がおとなしくなったかって思ってるんだろ!?
実を言ってしまうと、海パンがないと兄貴は闘えないんだ!」



「え!?」


海パンがないと闘えない!?


なぜに海パン!?






「そうなんだよ」



今度は兄貴さんが口を開いた。



「実は過去にいろいろあってな、俺は拳を握れなくなってしまったんだよ。
ーーーだけどな、ある日海辺でこいつに出会ったんだ」



兄貴さんはパピヨンの肩をポンポンと叩いた。



「そのときに、俺は久しぶりに拳を握れたんだよ。あの時の感覚が忘れられなくてなぁ…
いつのまにか海パンがないと闘えない自分になっていた」



兄貴さんはどこか懐かしそうな表情になった。



「まあ、海パン履いたら逆に闘争心燃えすぎちゃって歯止めがきかなくなっちゃうんだけどね……」



隣でパピヨンは苦笑いをしている。




……うん、なるほどな。



だったらパピヨン。



そいつに一生海パン履かせるんじゃない!!!





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