今日こそ絶対に自殺します。
「あの…」
私が恐る恐る話しかけると、パピヨンは「あっ」と我に帰った。
どうやらぼーっとしてた模様。
「…大丈夫ですか?」
「あぁ…大丈夫…」
「………」
いやいや大丈夫じゃねーだろその反応!!
明らかにいつものお前じゃねーだろ!!
ーーーどうしたんだよ一体…
私はパピヨンのどこか悲しげな顔を見ていられず、手元のミルクティーに視線を落とした。
ーーー懐かしい…
確か初めてここに来た時、私はこのミルクティーがすごく羨ましかったんだっけ。
幸せなんだろうなー。
みんなにおいしいって飲まれるのって、本当に幸せなんだろうなーって……
ーーーだけど、どうしてだろう。
「ーーーカラン…」
今は一つもそんなこと思ってない。
というか、思えない。
『チャンぴかさぁーん!』
『チャンぴか…さん…』
『子ねずみちゃんっ』
『おう!チャンぴか!』
『ーーーチャンぴかぁ!!!』
きっと今の私は、このミルクティーよりも多くの人に関わって生きていて、
そして実は、自分では気づいていない間にちょっとした幸せを感じている。
ミルクティーには勝ってるのかもしれない。
世の中の人間たちには勝てないけど、
このミルクティーには勝てたのかもしれない。