今日こそ絶対に自殺します。






「……ざけんなよぉ!!!」



寺内は兄貴の拳を勢いよくどけた。



「生きろだと!?
何バカなこと言ってんだよ!!
どん底に落とされたんだ…!
俺はお前にどん底に落とされたんだよ…!

ーーー暗闇の中に落とされた俺にはもう……
未来なんてねーんだよ!!!!!」






「ーーーあるさ」




ーーーギュッ



兄貴は寺内を強く抱きしめた。


そして耳元で静かに呟き始めたーーー




「…ある頭のひねくれた奴が言った言葉だ。
信じるかどうかはお前が決めろ……

ーーーどん底に陥れられた後、どうやら這い上がれない人間はいないらしい……
だけどな…そのためには必ず持たなくちゃいけないものがあるんだ……」





ーーーそれはなんだと思う?






「っ……」



寺内は唇を噛み締めている。



兄貴は優しく微笑んだ。






「それはなーーー










ーーー這い上がろうとする


























勇気だ」







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