今日こそ絶対に自殺します。






ーーーギュッ


「……っ!」



突然、パピヨンは私の手を握りしめた。


指の長い大きな手が、私のちっぽけな手を包み込むーーー





「ーーーチャンぴかは、実はものすごく強い人間なんだ。知ってた?」



「ーーーっ!」





涙がーーー


出そうになってきたーーー



いや、もう出てるかもーーー




「で、でも…!」


私はパピヨンの手を振り払って、体を起こした。



「私、もうすぐ死のうとしてるんですよ!?
この世界から逃げようとしてるんですよ!?
ーーそんな人間が…グスッ…強いわけない…
私は…グスッ…強くなんてない…!!」




涙が止まらない。


なんでこんなに弱い私を、強いだなんて言うんだよ……


嘘、つかないでよ……






「いーや強い」


「…っ!?」


パピヨンもゆっくりと起き上がった。


そして、また私の手を強く握る。





「今、俺の目の前にいるチャンぴかは、
ーーー死んでるの?」



「……っ」



パピヨンは手を握る力をさらに強めた。



「チャンぴかは、生きてここにいるじゃねーか。
俺が握ってるのが証拠だ」



「……っ!!!」






ーーーううう……グスッ…うう……



もう泣いていた。


久々に涙を流したような気がした。


こんなにも温かい気持ちって……


今までにあったっけ?




「ーーーポンポン」


パピヨンは私の頭を優しく叩くと言った。



「こんな人生、涙なしでは生きていけねーよ。
おもいっきり泣け、チャンぴかーーー」





「……グスッ…うああああああ!!!」




とにかく泣いた。



声をあげて、とにかくとにかく泣いた。



私はちゃんとーーー



生きてるんだーーー






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