今日こそ絶対に自殺します。
涙をぬぐって、私は立ち上がった。
そして屋上の端に歩いて行くーーー
柵がないその場所からは、下の景色がまじまじと見えた。
おそらくここは3階くらいの高さ。
落ちてしまえば絶対に死ぬことができる。
ーーーだけど、
私はバッグから自殺用の縄を取り出した。
そしてーーー
目の前に広がる世界に向かってーーー
投げようとしたーーー
と、その時だった。
「ーーービュウッ!!!」
「え?」
いきなり強い風が吹いてきた。
「うわっ!」
風に押されて私の体はグラリと揺れる。
そしてーーー
「うそ……でしょ……」
屋上の外へと、押し出された。