今日こそ絶対に自殺します。






しかしこんな私でも、一つだけ心が穏やかになれるものがあった。




それはーーー



「パシャ!

ーーーうん、いいの撮れたかも」



そう、写真だ。





ふとした時に見上げた空、小さなてんとう虫が乗っている葉、子供達の笑顔ーーー



私が偶然出会った一瞬を写真におさめると、なんだか『生きてる』って感じがした。




世の中むかつくことばかりだと思っていたけどーーー




「明日も頑張ろうーーー」




写真があることで、私はずっとこの世の中から逃げずに済んでいたのかもしれない。






そういうこともあり、私は高校時代に写真部に所属していた。



しかもなんと部長。



それもそのはず、写真部には私一人しか所属していなかったのだ。





ーーーだけどある日、



「失礼します」


「っ!?」


「入部してもいいでしょうか」





入部届けを片手に、写真部の部室にやってきた奴がいた。




「……い、いいけど別に」



別にむかつくこともなかったから、私は入部をすんなりとOKした。











ーーーまさか、こいつに恋をしてしまうなんて、思ってもいずにーーー






< 219 / 326 >

この作品をシェア

pagetop