今日こそ絶対に自殺します。
しかしこんな私でも、一つだけ心が穏やかになれるものがあった。
それはーーー
「パシャ!
ーーーうん、いいの撮れたかも」
そう、写真だ。
ふとした時に見上げた空、小さなてんとう虫が乗っている葉、子供達の笑顔ーーー
私が偶然出会った一瞬を写真におさめると、なんだか『生きてる』って感じがした。
世の中むかつくことばかりだと思っていたけどーーー
「明日も頑張ろうーーー」
写真があることで、私はずっとこの世の中から逃げずに済んでいたのかもしれない。
そういうこともあり、私は高校時代に写真部に所属していた。
しかもなんと部長。
それもそのはず、写真部には私一人しか所属していなかったのだ。
ーーーだけどある日、
「失礼します」
「っ!?」
「入部してもいいでしょうか」
入部届けを片手に、写真部の部室にやってきた奴がいた。
「……い、いいけど別に」
別にむかつくこともなかったから、私は入部をすんなりとOKした。
ーーーまさか、こいつに恋をしてしまうなんて、思ってもいずにーーー