今日こそ絶対に自殺します。






ーーー悔しかった。




ものすごく悔しかったんだ。







笑顔を見たくて見たくて、何日もカメラを持って奴を追いかけた日々。



一度も笑顔を見せてくれることがなく、挙げ句の果てにはあんな悲しい顔を私に最初に見せやがった。






「……グスッ…馬鹿野郎…」




何日も追いかけたのに、笑顔くらい見せてくれたっていいじゃねーかよ。



なんでお前はずっとずっと、笑わなかったんだよーーー






「……お前は…グスッ……知らないだろ…」




なんで私が毎日毎日、お前を追い続けたか。








ーーーすごく胸がドキドキしたからだよ。



ファインダー越しに見るお前の顔に、私はいつもいつもときめいていたんだよ。



その顔がいつか笑うかもしれないって考えるとーーー胸が弾んで仕方がなかったんだよ…!






「ーーー失礼します。
入部してもいいでしょうか」




あの時からだった。



寂しさを切れることでしか紛らわせなかった孤独な私をーーー



1人にしなかったのはお前だったんだよーーー






「ーーーこれ、やっときますよ」




お前の声に、最初からドキドキしっぱなしだったんだよ。




「無駄に怒らない方がいいですよ。
早死にします」




お前からあんなむかつくような言葉を言われたことが、本当はすごく嬉しかったんだよ。







なのにーーー!!!


なのにーーーーー!!!!!





「なんでだよ……グスッ…」




なんであんな悲しい顔しか、




私に見せなかったんだよ……!!!






「ほんっと……グスッ…馬鹿野郎」













ーーー好きだったんだ。



ーーー大好きだったんだ。









お前のことが……


千崎竜也のことが………











ずっとずっとーーー




好きだったんだーーー
















ーーー1人ぼっちの部室の中で、私は声をあげて泣いていた。



初めてこんなに泣いたと思った。



こんなに苦しい恋をしたのはーーー



はじめてだったーーー






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