今日こそ絶対に自殺します。
「ーーーお茶でも行きませんか?」
「いいですねー」
机に向かってカリカリと鉛筆を進める中、いつも隣の部屋からはそんな声が聞こえてきた。
「ーーーおい、竜也」
ボキッ
父の声に反応して鉛筆の芯が折れると、俺はゆっくりと振り返った。
「ーーーなんでしょうか、お父様」
「◯◯会社の社長様がお茶に誘ってくれた。
お前も一緒に来なさい」
父の目はいつも濁っていた。
濁っているから、怖かったんだ。
「ーーーはい、分かりました」
千崎竜也(せんざき たつや)
大手会社、千崎商業の社長息子。
俺は自分の運命を、ものすごく恨んでいる。