今日こそ絶対に自殺します。
「ーーーねぇ!!」
「…っ!」
ふと、また彼女は話しかけてきた。
「ーーー友達になろうよ!」
「っ!」
俺は思わず振り返った。
彼女の満面の笑みが、俺の瞳に映る。
「君がすごいとかすごくないとか……別に私は興味ない!!
とりあえず友達になろうよ!!」
彼女は俺の元にまた駆け寄ってくると、俺の手をギュッと握った。
「私、柿本光(かきもと ひかる)!
あなたの名前は!?」
「……っ!」
俺は言葉に詰まった。
こんなにも親しげに名前を聞かれたのは、初めてだったんだーーー
「千崎…竜也…」
「へぇー竜也!じゃあたっちゃんだね!」
「え?」
「これからどうぞよろしく!たっちゃん!
また会おうね!」
彼女はそう言うと、俺から離れてどこかへ駆けて行ってしまった。
「あ……」
開いた口が閉じなかった。
「柿本…光…」
名前の通り、彼女の駆けて行く姿は本当に光って見えたんだ。
ーーーこれが、光との出会いだった。
俺は光に、この時かすかな希望を見たんだーーー