今日こそ絶対に自殺します。
「ーーーたっちゃん…か…」
勉強机に体を向けながらも、俺の顔は窓の外を向いていた。
以前出会った彼女のことが忘れられなかったんだ。
ーーーあの子は今、どこにいるんだろう。
ーーーあの子は今、何をしているんだろう。
初めてできた友達だったからかもしれない。
俺の頭の中は彼女でいっぱいだったんだ。
「………」
黙って外の景色を見つめる。
俺の家は丘のてっぺんにあり、辺りは森に包まれている。
だから目に映る景色は全て森。
森、森、森ーーー
「ーーー出てこないかな」
あの森の中から、ひょっこり彼女が顔を出さないかなーーー
窓の外を見つめながら、俺はそんなことを思っていたーーー
ーーーそんなこと、あるわけないか。
奇跡なんて起きたりなんてしないーーー
僕は仕方なく、勉強机に目を戻そうとした。