今日こそ絶対に自殺します。






ーーーそんな時だった。





「……っ?」



ふと、森の奥に人影が見えた。





ーーーなんだ、あれ…



俺は目を凝らして、その人影を見つめた。



人影はどんどんこちらに近づいてくるーーー










「……っ!!!」




俺は近づいてきた人影の顔を見て目を疑った。



それはーーー




「うそ…だろ……」





紛れもなく、彼女だったからーーー







彼女は森から出てくると、辺りをキョロキョロした。



そして、恐る恐る家に近寄ってくると、窓の中にいる俺を見てにんまりと笑った。





『ーーー遊びに来たよ!』



ーーードキッ




彼女は声を出さず口だけを動かし、俺にその言葉を伝えてきた。



おそらく、いや絶対にそう言っていたと思う。




俺は思わず席から立って、窓を開けた。




ーーービュウッ!!


「……っ!」



それと同時に吹き込んでくる強い風。



俺の髪は一瞬にしてボサボサになった。








「ーーーあはははは!!」



ふと、声をあげて笑い始める彼女。




彼女は「あっ!」という表情になると、すぐさま口を押さえた。






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