今日こそ絶対に自殺します。






「そーいえば、ずっと思ってたんですけど…」


「ん、なに?」


「どーしてここの名前は『ぼっちゃん』なんですか?」


「あー」




ニオさんは少し顔をしかめると、自分のアイスティーを一口飲んで話し始めた。





「メガ症ハウスにいたとき、パピヨンの前で思いっきり池に落ちた時があって…

ーーーそれでパピヨンが『ボッチャン』にしろって言い始めたのよねー」




「あー」




そ、そういうことだったんだ……




「まあ昔は嫌だったけど、今になったら結構いい響きかもって思っちゃったりして」



ニオさんは片目でウインクをした。






「オレンジジュースおかわりぃー」


「えぇ!?」



キラリは空っぽのグラスをかかげると、ニオさんに向かって差し出した。



「ちょ、ちょっとキラリ?
いくらなんでもこれは飲みすぎだよ…」


「えー」



キラリはほっぺをふくらませる。




「まあいいじゃないの、子ねずみちゃん。
ここに久々に来てくれたお礼よ?
サービスでもう一杯プレゼントしちゃう!」




ニオさんはそう言うと、空っぽのグラスにオレンジジュースを注いできてくれた。




「本当にすみませんニオさん…」


「いいのよっ。
どーせお客なんて来ないんだから」






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