今日こそ絶対に自殺します。
ーーー次に私が向かったのは、街角の小さな練習場。
兄貴さんは今ここで、ボクシングスクールを開いているらしい。
「ーーーバシッ!バシバシッ!」
「ほらー!もっと強く打て!!」
扉を開けると兄貴さんの声が聞こえてくる。
「お?チャンぴかじゃねーか!」
「兄貴さん、久しぶりです」
「おー久しぶり!
んでこのちっけーのが娘か!お前の!」
「あ、はい…実は」
兄貴さんはキラリの前にしゃがみ込んだ。
「おーちっけーの!
俺は兄貴だ!よろしくなぁ!」
「おにきぃー?」
「………」
「キラリ、あにきって言ってあにき!(小声)」
「あにき「そーだよろしくなぁ!!」」
やっぱり兄貴さんは自分の名前以外に反応してくれない。
まあいっか、それでも。
兄貴さんは海パンを履くのをやめたらしい。
それは、自分が闘うのではなく、闘うのを教えたいと思い始めたからだとか。
ーーー今、兄貴さんのボクシングスクールはものすごく人気。
兄貴さんは自分でやるのはちょっとまあアレだけど…教えるのはものすごく上手らしいのだ。