今日こそ絶対に自殺します。





「ーーーあ、光」


竜也は私に気づくと、キラリを抱えたままこちらに歩いてきた。



「お仕事お疲れ様です、旦那様」


「え、何それサービス?」


「なわけねーだろ」




竜也は今、千崎商業の社長を務めている。


という訳で、なんと私は社長夫人なのだ。



毎日仕事が忙しい竜也は、なかなか家に帰ってくることはできないけど、それでもキラリはパパのことが大好きなのだ。



キラリはきっと、つらい過去を経験してきた竜也に与えられた、神様からの最高のプレゼントなのかもしれない。



ーーー私は今、竜也の仕事を手伝いながらも、あるちょっとした活動をしている。




それはーーー




『自由すぎる女神症候群』というボランティアグループでの活動だ。



私はこのグループの長を務めている。



人生の壁にぶつかってしまった人。


何かしらの悩みを抱えてしまった人。



そんな人々の相談に無料でのることが、このボランティアグループの活動内容。



もちろん本部は、以前メガ症ハウスだったアパートだ。







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